拡大する写真・図版 ポピュリズムをめぐる近年の動き

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 2016年に起きた英国の欧州連合(EU)離脱決定とトランプ氏の米大統領選勝利は移民排斥や自国第一を訴えるポピュリズムの台頭に拍車をかけた。勢いが消えないポピュリズムの背景に人々のアイデンティティーの分裂を指摘する見方が出ている。英国は12月に総選挙を迎え、米国の大統領選も1年後に迫ってきた。10月にあった明治大学のシンポジウム「危機に瀕(ひん)するデモクラシー」(朝日新聞社後援)で来日した米独の研究者に帰属意識と政治の関係を尋ねた。(聞き手・宋光祐)

アミルカー・バレットさん(米ノースイースタン大学教授)

 米国人のアイデンティティーとは何か。トランプ大統領はそれを人種と宗教だと公言している。非常に危険な考え方だ。「誰がより本物の米国人か」。先祖や肌の色など生まれ持った要素で、国民に優劣をつけることにつながるからだ。

 米国政府がこれまで米国人のアイデンティティーとしてきたのは、自由、民主主義、平等という市民的価値だった。保守派の政治家でさえ、内心でトランプ氏と同じ考えを抱いていたとしても、公共の場では市民的価値を重んじてきた。

 トランプ氏はその伝統を捨ててしまった。自由、民主主義、平等という価値はきれいごとで、白人のキリスト教徒を頂点に米国人を人種ごとに序列化することにお墨付きを与えた。市民的価値ではなく、人種と宗教が帰属意識のよりどころだという考え方が社会の対立を深刻にしている。

 アイデンティティーのとらえ方が変化してきた背景には、グローバル化に加えて人口の変化に対する不安もある。

 1965年にわずか4%だった…

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