拡大する写真・図版 大伴家持の家薬「高千穂薬」に使われた生薬。左は薬を粉にする薬研(やげん)=東京都大田区

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 日本最古の医薬書の新たな現代語訳が進んでおり、伝統医学「和方」の膨大な処方が、再現可能になろうとしている。万葉集で知られる大伴家持が伝えた処方も含まれていて、歌人も癒やした雅(みやび)な「処方箋(せん)」を現代によみがえらせる試みだ。

 この医薬書は平安時代初期に桓武天皇(737~806)が作らせた「大同類聚方(だいどうるいじゅほう)」。原典は失われたが、複数の写本が存在する。一部の写本には偽書説もあるが、今回は幕末の医家佐藤方定が高く評価した「寮本」を、横浜薬科大の漢方和漢薬調査研究センター(横浜市)が、来秋完成に向け現代語訳に取り組んでいる。

 1985年には古典医学研究家の槇佐知子さんが別の写本を柱に現代語訳した「全訳精解 大同類聚方」を完成。一部の薬の配合量なども明らかにした。一方「寮本」には同書で確認できる808の薬の配合量を含めた処方がすべて記されており、全訳は初という。

 大同類聚方の編纂(へんさん)当時は遣唐使が大陸の高価な漢方薬を伝えつつあった。この様子を見て桓武天皇は手頃な国産生薬を用いる伝統的な「和方」で、医療の全国標準化をめざしてこの本の編纂を命じ、死後に完成したとされる。「和方」とはいえ、一部に「百済」など渡来の処方と明記した薬もあるが、大半は神社や豪族が伝えた伝統処方だ。

 万葉集に生薬の原料を探す「薬…

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