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 「建築のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞を今年受賞した磯崎新さんの活動のなかで、都市計画や建築以外の領域に目を向けた「磯崎新の謎」展が、大分市美術館で開かれている。9月の開会日、磯崎さん自らが会場で作品を説明した。

 作曲者と曲名を題名とする、壁に白い模造紙を貼った作品「ルイジ・ノーノ オペラ プロメテオ」。その前に立った磯崎さんは突然、模造紙を拳でたたき、穴を開け、破いた。

 裂け目からプラスチック製のオーケストラ団員を模した赤く小さな人形がのぞく。作品が完成する瞬間を自らのパフォーマンスで披露した。裂け目をのぞき見る鑑賞者の隣では、そのオペラが秋吉台国際芸術村ホール(山口県)で上演されたときの映像が流れていた。

 全6篇(へん)が考案された「磯崎新の謎」展のうち〈いき〉篇と〈しま〉篇の2篇を公開。「しま」は縄張り、「いき」は音楽の間・休止などの意味という。磯崎さんがニューヨークやパリで開いた「間―日本の時空間」展(1978~81)を再制作した作品30件が展示されている。

 記者会見では自身の作品について冗舌に語った。「ちょっと不思議だなと感じてもらえたら。一番は背中で感じてもらうこと。そんな人は将来アーティスティックにモノを考えられるようになる」。最後も「見た人が謎を抱えたまま帰ってもらえたら」と磯崎節でしめた。11月24日まで。(上林格)