「ねらわれた学園」などで知られるSF作家の眉村卓(まゆむら・たく、本名村上卓児〈むらかみ・たくじ〉)さんが3日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため大阪市内の病院で死去した。85歳だった。通夜は8日午後6時、葬儀は9日午後0時30分から、大阪市阿倍野区阿倍野筋4の19の115の市立葬祭場やすらぎ天空館で。喪主は長女知子(ともこ)さん。

 大阪市生まれ。大阪大学経済学部を卒業後、大阪の耐火煉瓦(れんが)メーカーに勤めながらSF同人誌「宇宙塵(じん)」に参加。水星で働く連邦官と異形の生物との遭遇を描いた「下級アイデアマン」が、1961年に第1回空想科学小説コンテストに入選した。63年、初長編「燃える傾斜」の発表を機にコピーライターに転じ、65年に専業作家となった。

 「なぞの転校生」(67年)や「ねらわれた学園」(76年)など、学園を舞台に不思議な登場人物との出会いを描いた少年少女向けのSFは、テレビドラマや映画になった。

 また、組織内での個人の葛藤を一貫したテーマとし、未来社会での植民惑星の統治者である司政官を描くシリーズでは、「消滅の光輪」(79年)が泉鏡花文学賞と星雲賞、大長編「引き潮のとき」(88~95年、全5巻)が星雲賞を受賞。自伝的要素の強い「夕焼けの回転木馬」(86年)で日本文芸大賞を受賞した。

 がんと診断された妻の悦子さんが2002年に亡くなるまで5年間にわたり毎日1編のショートショートを書き続けた実話は、「僕と妻の1778の物語」として映画化された。大阪芸術大学教授も務めた。