グラブを本に持ちかえて 日本ハムが読書にこだわるのは

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山下弘展
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 9日まで読書週間です。「読書の秋」とはいえ、文化庁の調査では16歳以上の約半数が1カ月で1冊も本を読んでいません。活字離れも日常と化した現在、プロ野球の日本ハムが読書推進活動を続けています。選手おすすめの本を紹介したり、読み終えた本を集めて寄付したり。子ども向けの絵本を作ったこともあります。プロ野球球団が、なぜ読書と関わるのでしょうか。

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 「グラブを本に持ちかえて」。日本ハムは2014年から、そう題した読書推進活動を始めました。発案者の見田浩樹・広報部長は事の経緯を振り返ります。

 「北海道は自治体ごとの図書館数や書店数が全国でもワーストに近いと聞いていました。球団として道内の社会的な課題を解決する手助けはできないか、と。それに当時は観客動員が頭打ちでした。プレーだけではない、選手の違う一面を紹介できればファンとの距離も近くなるのでは、と思いました。選手が移動中によく本を読む姿を見ていましたし、12年に就任した栗山英樹監督も大変な読書家です。これを生かせないか、と考えました」

 そうして始まったのが、「読み終えた本をみんなでシェア」。ファンが読み終えた本を本拠の札幌ドームで回収し、北海道内や東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方の太平洋沿岸部で読書環境整備を進めている一般社団法人「北海道ブックシェアリング」に寄付します。今年も、778冊を寄付しました。

 本に関する活動はまだまだあります。14年に札幌市中央図書館で選手の推薦本を紹介。15年には道内の小学校が実施する朝の読書時間に流すアナウンスを選手が録音して、各小学校に配りました。

 読書で親子の絆も深めたいと…

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