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 赤城山の山裾を渡良瀬川が流れる群馬県桐生市黒保根町には、明治の近代化の足跡がひっそりと残る。足尾銅山(栃木県日光市)へ通じ、「銅(あかがね)街道」とも呼ばれた国道122号沿いの道の駅「くろほね・やまびこ」は、合併前の黒保根村だった1998年にオープンした。

 道の駅近くに、初めて生糸輸出を始めた「水沼製糸所跡」がある。市の資料などによると、地元出身の星野長太郎が生糸生産による国や郷土の振興をめざし、1874(明治7)年に設立。2年後に弟の新井領一郎を米国に派遣し、直接取引を実現した。初代県令(県知事)の楫取(かとり)素彦は兄弟を支援し、新井渡米の際、楫取の妻で吉田松陰の妹寿(ひさ)は新井に松陰の形見の短刀を手渡したという。兄弟と楫取夫妻の関わりは、2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」でも描かれた。

 今や養蚕業は衰退し、桑畑の多くが野菜や果物用の畑へと姿を変えた。日光や尾瀬に向かう観光客が立ち寄る道の駅には、地元産の農作物や手作りの加工品がそろう。秋田県の農家直伝のいぶり大根、玄米のみそ、山椒(さんしょう)やそば粉を使ったかりんとうなどのほか、食堂では野菜の天ぷらが付いた手打ちそばが人気だ。

 現在は運営も地元農家でつくる…

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