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 世界の経済は成長したが格差は拡大、コスト重視で地球温暖化対策も進まない。来年1月にスイスで開かれる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)では、こうした資本主義の「ひずみ」に、企業や市民がどう対応するかが主なテーマだ。来日したWEFのボルゲ・ブレンデ総裁に聞いた。(真海喬生、機動特派員・奥寺淳)

 ――上位1%の富裕層が世界の富の半分近くを占めているとされます。なぜこのような不平等な社会になったのでしょう。

 「1990年には50億の人口に対し貧困層は40%を占めていましたが、今日では80億人近くに対して12%。歴史上比類のないほど貧困には打ち勝ってきました。しかし過去30年の間、特に先進国で不公平感が高まってきたのは事実です。経済のグローバル化が進むにつれ、先進国の未熟練労働者は、中国やベトナムなど新興国や途上国の給与水準との競争を強いられるようになりました。この圧力で、先進国の労働者の給与は上がっていません。これは市場経済と社会政策を両立させる仕組みとして、真剣に取り組む必要がある問題です」

 ――一方で、経営者や一部の大株主に富が集中しました。彼らの欲の問題なのでしょうか、社会システムの問題なのでしょうか。

 「いくつかの理由が重なり合っています。企業は株主に対してだけでなく、従業員や社会全体のあらゆる利害関係者(ステークホルダー)に対して責任があります。しかし、これまでの数十年間、我々が直面してきた問題は、この考え方が最も重要な議題にはならなかったことです。企業に大きな責任があることを改めて思い起こさなければならないのです」

企業報酬、一定の制限を

 ――そうした社会は可能なので…

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