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 明治期以来の食器事業に源流を持つセラミック企業集団の森村グループで「祖業」が苦戦している。名古屋が本拠の主要3社の2019年9月中間決算は、ノリタケカンパニーの食器と日本ガイシの「がいし」を含む事業が赤字。日本特殊陶業も自動車事業が減益だった。

 ノリタケは看板の食器事業で3億8千万円の営業赤字となった。ホテル向けの受注が伸びて赤字幅は前年の5億円より縮んだが、海外販売が振るわず、赤字は下期も続く見通し。食器は貴重な外貨を稼ぐ手段として明治期に始まったグループの祖業。加藤博社長は「縮小均衡でもいいので、利益を出さないといけない」と語る。

 創業100年の日本ガイシは、食器から派生した「がいし」が不振だった。送電線の絶縁に使う製品で、蓄電池も含めた電力事業が24億円の営業赤字(前年同期は31億円の赤字)。「電力会社の投資抑制が響いている」(大島卓社長)といい、当面、我慢の時期が続くとみる。

 日本ガイシから分かれた日本特殊陶業は、点火プラグを含む主力の自動車関連事業で中国の自動車販売が減ったあおりで、部門の営業利益が前年同期より約15%縮小。川合尊社長は見通しについて「中国がどう動くかでかなりの影響が出る」と話す。また、株高が支える米国の個人消費の先行きにも警戒を示した。

 ノリタケは工業用の砥石(といし)、日本ガイシは半導体製造装置向け製品など、祖業以外の分野が売り上げの多くを占める。ただ、9月中間決算ではいずれも自動車や半導体産業の冷え込みが響き、3社とも営業利益は前年実績を下回った。

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〈森村グループ〉1876(明治9)年に森村市左衛門らが創業した陶磁器商社の森村組を起源とするセラミック企業集団。1904年に輸出用磁器の製造部門として日本陶器(現ノリタケカンパニー)を設立。その衛生陶器部門が東洋陶器(現TOTO)、がいし部門が日本碍子(現日本ガイシ)に。日本碍子から自動車用点火プラグ部門として日本特殊陶業が分離した。

 長く「1業1社」を掲げて事業分野をすみ分けてきたが、今年3月に初の4社協業構想を発表。セラミックをつかった燃料電池開発会社「森村SOFCテクノロジー」をつくり、12月に事業を始める。

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森村G各社は「祖業」の苦戦が目立つ

※9月中間決算。億円未満切り捨て。かっこ内は前年同期比増減%、▼はマイナス

【ノリタケカンパニー】上段は全体、下段は食器

<売上高>

619億円(▼0・1)

うち38億円(微減)

<営業損益>

26億円(▼29.2)

うち▼3億円(赤字継続)

【日本ガイシ】上段は全体、下段は電力関連

<売上高>

2197億円(▼3.7)

うち206億円(▼14.7)

<営業損益>

316億円(▼11.4)

うち▼24億円(赤字継続)

【日本特殊陶業】上段は全体、下段は自動車関連

<売上高>

2154億円(2・9)

うち1766億円(▼0・4)

<営業利益>

262億円(▼20.2)

うち276億円(▼15.9)(山本知弘)