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 静岡県富士市中央公園の花時計が5月、時を刻むのをやめた。設置からおよそ30年。部品はすでになく、新品との取り換えには多額の費用がかかる。市民らに愛された花時計を再び動かしたのは、「紙の町」富士で長年、製紙機械の製造や修理を続けてきた町工場の技術だった。

 公園の一角にある直径約8メートルの花時計は、1991年に設置。季節ごとにビオラなど色とりどりの花が植えられた花壇を、長さ3・3メートルの長針と2メートル強の短針が回る。5月15日、散歩していた市民から「花時計が止まっている」との通報が市にあった。製造元に問い合わせると、時計の部品はすでに在庫がなく、取り換えを提案された。だが、1千万円を超える新品購入の予算はなかった。

 市の担当課では、市内の多くの町工場と接点を持つ市産業支援センター「エフビズ」から助言を得て、市の基幹産業である製紙の機械製造会社で技術力に定評がある「丸十鉄工所」に相談した。同社の熟練工が現場に出向いたところ、機械から異音が聞こえた。縦回転を横回転に変える「ウォームギア」という歯車に問題がありそうだった。時計を取り外して工場で分解すると、予想通りこの歯車が摩耗し、変形していた。

 歯車の原型を示す設計図はなか…

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