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 病院も学校もバスもない。過疎化が進むスペインの農村部に暮らす人々が、地方軽視の政治に絶望し、自分たちの代表を国政に送り込もうと立ち上がった。過疎への危機感から20年前につくった地域団体「テルエルは存在する」が母体だ。長年、忘れられ続けてきたという憤りのメッセージを込めていた。開票の結果は――。(テルエル=疋田多揚)

 乾いた山々を背に小村が点在するスペイン中東部テルエル県。建物や電線といった人工物がまったく見当たらない山や大地が延々と続き、まるで別の時代に迷い込んだような地域だ。ほぼ岩手県と同じ面積に、13万人あまりが住む。人口密度が1平方キロメートル当たり9人の農村地域だ。

 過疎化の最も深刻な村の一つ、県中西部のブエニャ村は村人25人の大半が70代以上のお年寄りだ。地域を支えていた鉄鉱山が閉山して人口が流出し、村に残る公共施設は役場だけ。診療所や学校、スーパーは10キロ以上離れた街にしかない。バスもなく、週に1回、行政が補助する相乗りタクシーが来るだけだ。村はずれには野生のヤギの群れが歩いていた。

 深刻な過疎化に歯止めをかけよ…

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