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 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法が憲法に違反するかが争われた訴訟の判決で、東京地裁(前沢達朗裁判長)は7日、憲法判断をせずに原告の請求を棄却した。全国各地で起こされている一連の訴訟で、判決は札幌地裁に続いて2件目。原告側は控訴する方針。

 2016年の安保法施行により、憲法前文にある平和に生きる権利(平和的生存権)や人格権が侵害されて精神的苦痛を受けたとして、市民ら約1550人が国に1人10万円の賠償を求めていた。

 判決は「平和とは抽象的な概念で、個人の思想や信条で多様なとらえ方ができる」と指摘した上で、平和的生存権は国民に保障された具体的な権利とはいえないと判断した。

 また、安保法の施行によって「戦争やテロの恐れが切迫し、具体的な危険が発生したとは認めがたい」とも言及。人格権が侵害されたとの訴えも退けた。

 違憲性については、具体的な権利の侵害があったとは認められないとして判断を示す必要はないと結論づけた。

 判決後、原告側の弁護団は会見し、「違憲性の判断を回避し、司法の誇りを捨て去った『忖度(そんたく)』判決と言われてもやむをえない」と批判した。

 安保法制をめぐる訴訟は全国22の裁判所や支部で25件起こされ、原告の数は7700人にのぼる。(新屋絵理)