藤井聡太七段が、8大タイトルの史上最年少の挑戦者になるかもしれない。王将戦リーグ最終対局の相手は広瀬章人竜王。勝てば、渡辺三冠への挑戦権を獲得する。だが、その道のりは険しかった。藤井キラーと評される「井上一門」との激闘、苦労人の今泉健司四段との対局……。関係者の証言をふんだんに取材し、師匠が「寝て起きると強くなっている」という藤井七段の成長の軌跡をたどった=敬称略。
拡大する初の師弟戦を振り返る藤井聡太六段(右)と杉本昌隆七段(段位はいずれも当時)=2018年3月8日午後6時48分、大阪市福島区、井手さゆり撮影
2018年3月8日の朝。大阪市福島区の関西将棋会館には、50人もの報道関係者が集まっていた。この日、当時六段で15歳の藤井聡太(そうた)と、七段で49歳の師匠・杉本昌隆が公式戦で初めて将棋盤を挟んで向き合う師弟対局が実現した。
振り駒で先手となった杉本が得意の中飛車(なかびしゃ)戦法を選んだ。午後1時18分、同一局面が4回繰り返される千日手(せんにちて)(引き分け)が成立。その30分後、指し直し局が始まり、後手になった杉本の作戦は四間飛車(しけんびしゃ)戦法。「奨励会(しょうれいかい)(プロ棋士養成機関)の対局で登場しなさそうだから藤井との練習将棋では指さなかった」という戦法をぶつけた。
「自分のペースで指せるはず」…
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