[PR]

 ベルリンの壁の崩壊、冷戦終結とともに掲げられた理想。30年が過ぎたいま、欧州でどんな像を結んでいるのか。(ベルリン=野島淳、ブダペスト=吉武祐)

進む経済的な統合

 ベルリンの壁崩壊から約1年後の1990年10月3日、東西ドイツは再び一つの国になった。社会主義の独裁政権の下にあった旧東ドイツの市民に、言論や移動の自由、経済水準の向上をもたらしたのは、この約30年の大きな成果だった。

 旧東独にある人口約9万人のツウィッカウ。近郊の工場で、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)の新モデルの生産を始めた。今月4日、視察に訪れたメルケル首相は充電拠点の拡充など「連邦政府として多くの努力をしたい」と語った。

 ツウィッカウはかつて、東独の国民車「トラバント」がつくられていた地だ。東西ドイツ統一後、VWはいち早くこの地に進出を決め、いまや最先端のEVの製造拠点となった。

 同様に、多くの西側企業が製造拠点を設けるなどして旧東独に投資した。国民は「連帯税」と呼ばれる所得税付加税を負担し、こうした財源が旧東独のインフラ開発などに投じられた。

 統合当時、旧西独の約43%だった旧東独の1人当たり国内総生産(GDP)は約75%になった。2005年には18%超あった旧東独の失業率も、直近は6%台に下がった。経済指標だけみれば、東は西に追いつきつつあるようにみえる。

 21年には納税者の9割を対象に連帯税は廃止される方針だ。連邦政府の幹部は「経済的な統合は順調に進んでいる」と語る。

旧東ドイツに残る劣等感

 それでもなお、見えない「格差…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら