ベルリン=野島淳、ブダペスト=吉武祐
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ベルリンの壁崩壊から30年を記念し、市中心部の広場にあるビルの壁に当時の民主化運動などの映像が効果音とともに映し出された=2019年11月4日、ベルリン、野島淳撮影
ベルリンの壁の崩壊、冷戦終結とともに掲げられた理想。30年が過ぎたいま、欧州でどんな像を結んでいるのか。(ベルリン=野島淳、ブダペスト=吉武祐)
ベルリンの壁崩壊から約1年後の1990年10月3日、東西ドイツは再び一つの国になった。社会主義の独裁政権の下にあった旧東ドイツの市民に、言論や移動の自由、経済水準の向上をもたらしたのは、この約30年の大きな成果だった。
旧東独にある人口約9万人のツウィッカウ。近郊の工場で、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)の新モデルの生産を始めた。今月4日、視察に訪れたメルケル首相は充電拠点の拡充など「連邦政府として多くの努力をしたい」と語った。
ツウィッカウはかつて、東独の国民車「トラバント」がつくられていた地だ。東西ドイツ統一後、VWはいち早くこの地に進出を決め、いまや最先端のEVの製造拠点となった。
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ドイツ東部ツウィッカウで11月4日、フォルクスワーゲンの新しい電気自動車の生産開始に合わせて工場を訪ね、従業員と話をするメルケル首相=AFP時事
同様に、多くの西側企業が製造拠点を設けるなどして旧東独に投資した。国民は「連帯税」と呼ばれる所得税付加税を負担し、こうした財源が旧東独のインフラ開発などに投じられた。
統合当時、旧西独の約43%だった旧東独の1人当たり国内総生産(GDP)は約75%になった。2005年には18%超あった旧東独の失業率も、直近は6%台に下がった。経済指標だけみれば、東は西に追いつきつつあるようにみえる。
21年には納税者の9割を対象に連帯税は廃止される方針だ。連邦政府の幹部は「経済的な統合は順調に進んでいる」と語る。
それでもなお、見えない「格差…
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朝日新聞国際報道部