【動画】空から見た御嶽山 息子がこの景色を見ていたら=大野択生撮影
[PR]

 死者・行方不明者63人を出した2014年の御嶽山噴火災害で一人息子を失った父。5年が経過した今月初め、息子の最期の足跡をたどるため、小型飛行機に乗って空から御嶽山の周りを眺めた。そこで目に映った景色は――。

 埼玉県の飛行場を飛び立ってから40分後だった。

 「あれが八丁ダルミか」

 今月3日、秋山則行さん(61)=千葉県市川市=は、妻の秀子さん(62)と小型機の窓から食い入るように眺めた。眼下に御嶽山が広がっていた。頂上付近はうっすらと雪化粧している。7合目の田の原口の駐車場から、尾根筋、頂上の神社に山小屋。息子がたどった道のりを、はっきりと見ることができた。酸素マスクをつけた則行さんは、窓の外の景色をカメラで撮り続けた。

 2人の一人息子だった秋山浩和さん(当時25)は5年前の9月27日、職場の同僚らと御嶽山に向かった。山頂に着いた直後に噴火に巻き込まれ、多発外傷で亡くなった。

 大学時代は山岳部だった則行さん。浩和さんが小さい頃から、登山や魚釣りなどに連れていった。

 成長すると、体格が似ている則行さんの服や靴を勝手に身につけて出かけていった。家では食後に食器も片付けなかったが、職場では「威張らず、腰の低い人だった」と、死後に息子の同僚から聞いた。「親に迷惑をかけても、人に迷惑をかけるな」という教えを守っていた。

 「こんど、『みたけさん』に登るんだ」。ある日、実家に帰ってきた浩和さんが言った。「それは『みたけ』じゃなくて『おんたけ』と読むんだよ」と教えてあげた。ただ、御嶽山が火山であることは、則行さんも知らなかった。1カ月後、再会した息子は、ひつぎの中で眠っていた。

 火山灰にまみれた遺体を、まち…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら