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 カンボジアで2年前に解党させられた最大野党・救国党のサム・レンシー元党首(70)の帰国計画が、周辺の国々を巻き込んでの大騒ぎになっています。滞在先のフランス・パリから、タイを経由して9日に帰国しようとしていますが、予約した飛行機には乗せてもらえず、タイ政府も入国を拒否しているのです。フン・セン首相は帰国すれば即刻逮捕する構え。そもそも、救国党やこの元党首はどうして、こんな目に遭っているのでしょう。処刑や迫害で170万人が死亡したとされるポル・ポト政権の時代やその後の内戦を経て復興の道を歩んできたカンボジアで、いま何が起きているのか。1980年代から現地で人道支援に取り組んできた日本映画大学特任教授の熊岡路矢さん(72)に話を聞きました。

 ――救国党とは、どんな政党なんですか。

 与党・人民党に対抗するために、サム・レンシー氏が98年に立ち上げた「サム・レンシー党」と、人権活動家として有名なケム・ソカ氏が2007年に立ち上げた「人権党」が12年に統合してできました。

 内戦を経て91年に調印されたパリ和平協定や新憲法の掲げた人権擁護、独立・中立のカンボジア、複数政党制による自由民主主義体制、司法の独立という基本原則を基準に、政治を行うべきだという立場です。国会議員だけでなく、地方議員にも党員がいた全国組織です。

 ――どうして救国党は解党させられたのですか。

 最高裁判所が政府の求めに応じて、17年11月に解党命令を出したからです。理由は「政権転覆」の計画にかかわった「国家反逆罪」でした。しかし、最高裁判事は人民党の党員とされ、決定に政権の意向が働いたという見方が強いです。背景には、フン・セン氏側が長期政権を覆される可能性に危機感を抱いたことがあると思います。13年にあった前々回の総選挙で、救国党が有権者の半数近い300万票を獲得し、与党・人民党に迫る勢いで躍進しましたから。ただ、17年のこの解党命令で、翌18年7月に実施された総選挙で与党に対抗できる政治勢力が実質的になくなってしまいました。

 ――どうして救国党はそんなに人気になったのですか。

 17年2月まで党首を務めてい…

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