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 石川県輪島市門前町の仁岸川源流域で、国の絶滅危惧種ホクリクサンショウウオの生息が新たに確認された。貴重な生き物を保護しようと地元の有志が集まり「仁岸川の源流に棲息(せいそく)する稀少(きしょう)生物を保護し育てる会」を結成。最初の活動として8日、産卵場所の清掃をした。

 ホクリクサンショウウオは体長約10センチ。能登半島と富山県の一部に生息する。成体は山間部にすみ、水田の水路など緩やかな水流のある場所で卵をうむ。近年は耕作放棄地の増加などに伴い、繁殖地が減少しているという。

 新たな生息地を見つけたのは、門前町出身で現在は七尾市中島町で農業を営む田谷樹(たつき)さん(50)。今年2月、七尾市内にある自分の田んぼの水路で卵を発見し、興味を持った。「門前でも生息しているのでは」と独自に町内を調べ、3月に仁岸川の源流にあたる水路で卵を見つけた。

 県内で保護に取り組む「ホクリクサンショウウオを守る会」の架谷成美さん(77)が調査した結果、繁殖地と確認された。9月には「貴重な生き物を保護しよう」と地元住民に呼び掛け「育てる会」を発足させた。

 この日は、1~3月に迎える産卵期に備え、水路を整備。メンバーと架谷さんが川底の落ち葉を取り除き、倒木を撤去した。今後も定期的に訪れ、卵の観察や繁殖地の整備などに取り組むという。田谷さんは「周辺にはまだ繁殖地があるはず。メンバーと協力しながら保護活動をしていきたい」と話した。(井潟克弘)