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 首里城(那覇市)の火災の被害は建物だけでなく、内部に保管されていた琉球王国(1429~1879)時代のものを含む多くの文化財にも及んでいる。約500点が焼失した可能性があるという。日本の政治体制に組み入れられた「琉球処分」以降、度重なる散逸にさらされた「沖縄の宝」を収集する取り組みが続いてきただけに、関係者の間では落胆の声が広がっている。

 首里城公園を管理運営する沖縄美(ちゅ)ら島財団の西銘宜孝(にしめよしたか)事務局長は6日の記者会見で、財団が所有する約1500点の美術工芸品や文書などの文化財のうち、約1千点を回収したが、残る約500点は焼失した可能性が高いことを明らかにした。復元品ではなく、原本が焼失してしまったものもある。

 琉球王国とその王家に伝わる文化財の数々は、第2次世界大戦の地上戦「沖縄戦」などによって失われてしまったものも多く、かつての王朝文化の姿を知るうえで、いずれも貴重な資料だったとみられる。

 焼失した可能性が高い約500点のうち、約400点は「寄満(ゆいんち)」と呼ばれる建物内の多目的室で保管されていた。収蔵のためにつくられた部屋ではなく、防火設備はなかったという。

 そのうち、琉球王国の国王を代々つとめた尚(しょう)家に伝わる品の一つ、絵画「雪中花鳥図」は保存処理のために一時保管していて、焼失したとみられる。沖縄県立芸術大美術工芸学部の小林純子教授(沖縄美術史)によると、琉球王国ゆかりの絵画は戦火に焼かれて現存する数が少なく、「一つひとつの資料がとても貴重」という。

 「雪中花鳥図」自体は17世紀の中国(清代)の画家、章声が描いたものだが、琉球王国の代表的な宮廷画家がこれを手本にしたとみられる作品を描き、沖縄県立博物館・美術館に収蔵されているという。二つを比較することで、「琉球絵画の研究がさらに進むと期待されていただけに残念」と小林教授は話す。

 財団は2015年、尚家の文化…

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