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 米軍と自衛隊が共同使用する岩国基地(山口県岩国市)の周辺住民が騒音被害の賠償や飛行差し止めを国に求めた訴訟で、国は過去分の被害の賠償のみを命じた広島高裁判決を受け入れ、期限の8日までに上告しなかった。9日、中国四国防衛局が明らかにした。

 10月25日の高裁判決は国に約7億3540万円の支払いを命じた。ただ、2010年に基地滑走路が1キロ沖合に移設された前後で、一部の地域を除き月額の賠償額を1人あたり4千円減額。原告654人のうち139人が10月31日、この減額分計約2億4千万円と午後8時~翌午前8時の軍用機の飛行差し止めなどを求め、最高裁に上告した。国が上告を見送ったことで、残る約500人への賠償が確定する。

 中国四国防衛局は9日、「防衛省としては、判決を慎重に検討し、関係機関と協議した結果、上告は行わないこととした。訴訟方針の内容にかかわるので理由は差し控える」とのコメントを出した。(具志堅直)