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 ワインや日本酒を海中に沈めた「海中熟成酒」の水揚げ会が9日、岩手県陸前高田市の広田湾であった。

 この日水揚げしたのは、春に参加者が沈めたホワイトリカーなど計約20本。湾に浮かぶカキ養殖用のイカダにつるし半年ほど海中で寝かせていた。海中で熟成させると独特のまろやかさが出るといい、貝や海藻が張り付いた瓶が漁船に引き上げられると、参加者たちは「おー」と声を上げた。その後、近くの農園で特産の米崎リンゴを収穫。水揚げした酒でオリジナルの果実酒を作った。

 地元の広田湾遊漁船組合が2017年に立ち上げたプロジェクトで、参加者は海中熟成酒の設置・水揚げのほかにも、旅の行程を記録する「カルテ」を作ったり、漁業体験を行ったりして地域と交流する。こうした体験型の観光プログラムが評価され、今年10月には全国産業観光推進協議会(東京)などが開催している産業観光まちづくり大賞で金賞を受賞した。

 事務局の鍛治川直広さん(40)は「陸前高田は震災復興や若者の流出といった課題を抱えている。プログラムを機に、地域とつながり続ける人を増やしていきたい」と話した。(加茂謙吾)