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 PL学園が甲子園に帰ってきた――。「マスターズ甲子園2019」(朝日新聞社共催)が9日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕し、初出場のPL学園OBチーム(大阪)が5―1で利根商(群馬)OBを下した。スタンドではPL名物の「人文字」が描かれ、桑田真澄さん(51)が投打に活躍して往年の高校野球ファンを沸かせた。

 桑田さんは大会試合規則で35歳以上での対戦となる四回にマウンドへ。四球と2本の安打でピンチを招いたが無失点で切り抜け、「15歳で初めて出て以来、甲子園に育ててもらった。五十肩だけど、高校生の気持ちで投げた」。五回は遊撃を守り、打席では右越え二塁打も放った。

 全盛期に監督を務めた中村順司さん(73)も七回2死から代打で登場。選手としては2年春に守備についた経験しかなく、「甲子園初打席」。「選手の前で無様な打撃はできない。四球でよかった」と苦笑した。

 三塁側内野席には卒業生ら約1400人の応援団が駆けつけ、懐かしい応援曲を演奏し、人文字も披露した。春夏の甲子園で計7度の優勝を誇る同校の野球部は2016年夏を最後に休部状態だが、OB会長でもある桑田さんは「プレーする楽しさを次の世代につなげたい。(活動再開に向けて)僕たちOBも頑張っていきたい」と話した。

 マスターズ甲子園は元高校球児が学校ごとに同窓会チームを組んで、青春時代の夢を追う大会。PL学園OBは今年から大阪府予選に参加し、いきなり「甲子園出場」を決めた。

「涙出るぐらい感激」

 利根商(群馬)野球部OBの綿貫文明さん(52)にとっては、36年越しの夢をかなえる瞬間となった。9日に開幕した「マスターズ甲子園2019」。四回にPL学園(大阪)OBチームのマウンドに上がった桑田真澄さん(51)と最初に対戦した。「高校時代は遠い遠い存在。涙が出るぐらい感激した」という。

 綿貫さんは桑田さんと同学年。1983年夏に1年生でいきなり全国制覇を果たした桑田さんが、同年10月に「あかぎ国体」で群馬県桐生市に来た。「練習を見に行った。なんか、まぶしかった。突出した存在だった」と当時を懐かしむ。

 利根商にとっては現役、OBを通じて甲子園初出場となった今大会。「しかも相手がPLでしょ。(35歳以上の対戦になる)四回の先頭打者に立候補した」と綿貫さんは笑う。初球は外角直球。「2球目のカーブはさすがの切れ味だった」とうなずいた。

 その後、カーブ、直球を4球ファウルし、10球目で四球を選んで出塁。「ジャストミートはできなかったけど、一生の宝物。自慢できますよね」と胸を張った。五回に桑田さんが二塁打を放った時には遊撃手の綿貫さんが近づき、「同級生です。あこがれでした」と打ち明けると、「そうですか。頑張りましょう」と答えてくれたという。

 桑田さんは試合後、「利根商の選手は食らいついてきた。カット、カットで粘られた」と振り返った。(編集委員・安藤嘉浩