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 日本人の老後は、どう変化していくのか。国際医療福祉大学の稲垣誠一教授がマイクロシミュレーションという手法で未来予測を試みている。

 厚労省の国民生活基礎調査を利用して、12万人のデータを匿名で取り出し、一人一人の未来をコンピューターで確率的にシミュレーションする。現行制度も人の行動も変わらないという前提で、出生、結婚、就業状態、所得、年金、親との別居、介護などの人生のイベントを、現実と同じ確率で、くじを引くように決める。いわば「精密な人生ゲーム」だ。

 12万人のシミュレーションを100回繰り返すことで、のべ約1200万人以上の人生を予測でき、将来の個人や世帯単位での所得分布も出すことができる。さらに年金制度を改革した場合の効果や、非正規雇用が減った場合の出生率の変化などもシミュレートできる。欧州などでは、政策のコストと効果を予測、分析するために使われている。

 グラフィックは、性別や正規、非正規雇用の違い、結婚、子の有無などの違いで、どう老後の人生が影響を受けるかを示すため、約1200万人からサンプルを3人分、抽出した。未婚・離別の高齢単身女性が老後に厳しい経済状況になることが、このシミュレーションでは判明している。

     ◇

 ――日本社会の未来を予測するための「マイクロシミュレーション」とは、どのようなものですか。

 「いわば、日本人1270万人の精密な人生ゲームのようなものです。厚生労働省の国民生活基礎調査から、12万人余の実在している人のデータを匿名で取り出し、コンピューターの中で『社会実験』をします」

 「現行制度が変わらず、人の行動も変化しないという前提で、出生、結婚、就業状態、所得、年金、親との別居、介護、移民などの人生のイベントを、現実と同じ確率で一人一人、くじを引くように決めていく。12万人分のデータで100回繰り返すので、のべ一千万人以上の人生がシミュレートでき、誤差はほぼなくなります」

 ――年金の財政検証などの一般的なシミュレーションと比べ、どんな点がすぐれているのでしょうか。

 「個人や世帯単位での所得分布や生涯所得を出すことができます。さらに年金制度を改革した場合の効果や、非正規雇用が減った場合の出生率の変化なども推計できる。欧州などでは、政策のコストと効果を分析するために利用しています」

高齢になっても働くのが当たり前――。そんな時代の足音がひたひたと聞こえます。国全体を眺めても、人口減少による現役世代の激減を前に、政府は「一億総活躍」という言葉で高齢層を労働力に繰り入れようとしています。私たちの人生から「老後」という時間が消えていくのでしょうか。「老後レス時代」の生き方を考えます。

■未婚や離別の半数が生活保護レ…

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