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 熊本地震の被災地に残る地震の爪痕を地学の観点から見学し、防災意識の向上につなげようと、熊本西高校(熊本市西区)の理数科の1年生35人が5日、熊本大の教授らと益城町や南阿蘇村など甚大な被害を受けた地域を巡る実習をした。

 実習では、熊本地震で斜面が崩壊した山々が道沿いにそびえる国道57号を進み、南阿蘇村の立野ダム建設現場や、地震で阿蘇大橋が崩落した同村河陽周辺、地震を引き起こした布田川(ふたがわ)断層帯を地表で観察できる益城町の堂園地区などを見学した。南阿蘇村では断層を挟んで道路の中央線が1・2メートルほどずれた箇所も訪れ、生徒たちは驚いた様子をみせていた。

 実習には、熊本大学の松田博貴教授(地球環境科学)と、減災を研究する鳥井真之特任准教授が協力した。松田教授らが見学場所で地形や地質と災害の関係に触れ、「布田川断層帯は約2千年に1度の頻度で活動していることが最近の研究で明らかになった」「傾きが10度の斜面でも、火山灰で形成された山では地震で土砂崩れが発生した」などと説明し、生徒らが熱心に書きとめていた。

 松田教授は「自然と人がどのように共存してきたかをよく観察し、想像力を働かせることが防災や減災につながる」と実習の意義を語る。参加した本田結樹人君(15)は「阿蘇大橋が落ちたところを見学して、改めて地震のすさまじさを感じた。対策が足りないところを自分でも見つけていきたい」と振り返った。(井岡諒)