【動画】香港警察発砲の現場周辺で抗議する市民ら=西本秀撮影
[PR]

 香港警察は11日、デモ参加者に実弾3発を発砲し、うち1発が男性(21)に命中したと発表した。香港政府によると、男性は意識不明の重体。さらに警察隊は大学に踏み込み催涙弾を発射するなど強硬姿勢を鮮明にした。市民の反発も強まっており、これまで以上に緊迫した局面を迎えている。

 警察とデモ隊の衝突現場近くで負傷した学生が8日に死亡したのを受け、デモ隊は11日朝から地下鉄やバスなどの交通機関を妨害して政府や警察に抗議した。

 発砲の様子をとらえた動画によると、警官がデモ参加者ともみ合っていたところにデモ隊の別の男性が接近。それに気づいた警官が、至近距離から男性の腹部に1発発砲した。

 男性は一時、心停止に陥るなど重体となっている。警察は残る2発は人に命中しなかったとしている。政府によると、別の場所で起きた衝突で、他の1人も重体という。

 一連のデモで参加者が警官に撃たれたのは3人目だが、武器を持たない参加者に警察が躊躇(ちゅうちょ)なく発砲する映像は波紋を呼んでいる。

 また、警察隊はこの日、香港大や香港理工大など三つの大学に催涙弾を撃ち込んだ。これまで大学構内での実力行使は控えてきたが、学生の取り締まり強化のため対応方針を変えた可能性がある。

 先週、デモの早期収束を指示した中国政府の意向を踏まえ強硬姿勢を強める香港当局に対し、デモ隊からは「報復」を訴える声が上がっている。11日は若者らが銀行や地下鉄駅を破壊したほか、香港島の金融街でも多くの会社員らが警察を「人殺し」と批判するなど、対立が深まっている。(香港=西本秀、深圳=益満雄一郎)