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 京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長が11日、都内の日本記者クラブで会見し、iPS細胞が再生医療の現場で実用化に近づきつつあるものの、事業として成立する前に研究開発費が枯渇する「死の谷」が迫っているとの認識を明らかにした。

 山中所長は、新しい治療法が確立するには最初の発見から二十数年かかる例が多いことを紹介。2006年の発見から13年たったiPS細胞は「(大学など)アカデミアから、医療応用を本格的にする企業への橋渡しが必要」な時期になったとの認識を示した。

 日本は、米国のように研究に投資が集まりにくく、大学から企業への過渡期には研究開発費が足らなくなりがちだとして、新たに設立した財団で収益を上げ、実用化を後押ししていく方針を明らかにした。さらに「橋渡しは20年間くらい必要で、公益性も高い。国の支援も一部では必要だ」と話した。(合田禄)