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 日系ブラジル人ら約2600人の外国人が暮らす愛知県知立市の知立団地。ここで始まった外国籍の子どもにランドセルを寄贈するプロジェクトがいま、全国に広がりをみせている。SNSなどを通じて、贈る側と受け取る側がつながりあえるのが特徴だ。すでに500を超えるランドセルが子どもたちの手に渡った。

 11月上旬、知立団地内のカフェで、アリシア・アケミ・ワタナベ・モレノさん(6)=同県刈谷市=に赤いランドセルが贈られた。2週間前に家族とブラジルから来日し、小学校の1年生のクラスに通う予定だ。「好きな色、すごくうれしい」と日本語とポルトガル語を交えて話した。

 ランドセルを贈った側は、同県安城市の会社役員、鈴木勇雄さん(52)だ。昨夏、自身が企画した外国籍の子どもたちとの交流イベントで、知人から使わなくなった3個のランドセルを受け取ったのが始まりだ。ランドセルがない子どもに寄付できないかと、親交があった知立団地の日系ブラジル人で、外国籍住民の生活相談役のミウラ・クミコさん(55)に持ちかけた。

 「ただの寄贈で終わりではなく、互いの異文化交流につなげたい」。鈴木さんとミウラさんの思いもあり、ランドセルを渡す際は、贈り主と受け取る子どもや保護者が一緒に立ち会えるようにした。さらに、受け取った子どもとランドセルの写真を送ってもらい、専用のフェイスブックに載せている。

 寄贈の話はフェイスブックを通じて拡散し、全国の外国籍の子どもの保護者からランドセルを求める声が相次いだ。要望に応えるためSNSでランドセルを募ったところ、今度は沖縄や岩手など全国の小中学校や個人から賛同の声が届いた。これまでに21都府県の500人を超える子どもたちの手に、使わなくなったランドセルが行き渡った。

 鈴木さんは「これだけ広がるとは思っていなかった。毎回笑顔をもらい、みんな以上に自分が幸せなのかもしれません」と手応えを感じている。

 ランドセル提供についての相談は鈴木さん(090・3446・5656)へ。(小川崇)