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 2022年度の九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の一部開業に伴い、佐賀、長崎両県が管理する予定の在来線の肥前山口(佐賀県江北町)―諫早(長崎県諫早市)の維持管理費が、当初見込みの年間2億3千万円から倍以上に膨らむ見通しになった。想定より高額な資材が必要になったためで、新幹線整備をめぐり対立する両県が、新たな懸案に直面している。

 西九州ルートの武雄温泉―長崎が開業するため、並行して走るJR長崎線の肥前山口―諫早の維持は佐賀、長崎両県が担う。両県とJRは07年、両県が鉄道施設を管理し、JRに列車の運行だけ任せる上下分離方式で長崎線を存続させることで合意。それを受け、両県は08年、線路などの維持管理費を年2億3千万円と試算し、新幹線区間は長崎県が長いことなどから、佐賀と長崎の負担割合を1対2とすることとした。

 だが長崎線の線路に使う資材が通常より高額になることが判明。長崎県のある幹部は、年間の維持管理費が想定の3倍にあたる6億9千万円に膨れあがるとの見方を示す。

 増額分について両県は「災害などにより増加した場合は折半する」ことで合意していたが、具体的な取り決めはしておらず、事務レベルで負担割合の協議を進めてきた。

 ところが今月8日、佐賀県の山口祥義知事が記者会見で、折半する場合の「災害など」の解釈について「災害か、とても重大な事件、事故とかそういうこと」と言及。今回の増額分の負担については佐賀1、長崎2の割合になると主張した。

 これに対し、長崎県は、「災害など」の「など」に解釈の余地があるとみて「折半もありうる」と反論。水面下の協議で平行線をたどっており、協議の行方は見通せない状況だ。

 両県は長崎新幹線の新鳥栖―武雄温泉の整備をめぐっても、通常の新幹線と同じ「フル規格」による整備を長崎県が求めているのに対し、佐賀県が反発している。(福井万穂、小川直樹)