【動画】カンボジア最大野党のサム・レンシー元党首は帰国実現に意欲を示した=野上英文撮影
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 カンボジア政府の圧力を受けて解党された野党・救国党のサム・レンシー元党首が12日、訪問先のマレーシアで朝日新聞の単独会見に応じた。カンボジアへの帰国が困難な状況について、「悲しく残念だが、状況はいつでも変わりうる。帰国計画は続行する」と述べ、アジアにとどまって日本など各国を訪問し、帰国実現に向けて圧力をかけていく考えを示した。

 フン・セン政権は、救国党が与党に迫る勢いを見せた2013年の選挙以降、野党支持者への圧力を強めており、サム・レンシー氏は迫害を逃れて15年からフランスでの生活を余儀なくされている。今回はまずタイ入りし陸路で帰国すると表明したが、タイ側に航空機への搭乗を拒否され、9日にマレーシアに入国していた。

 サム・レンシー氏は、「タイの対応は残念だったが、フン・セン氏が圧力をかけたためだと理解している。マレーシアに自由な人間として入国でき、私はフン・セン氏が言うような犯罪者でも反逆者でもないと証明できた」と述べた。

 野党幹部が7日に会見を開いたインドネシアにも謝意を述べ、「東南アジアでは人権が外交政策上重要になってきている。2カ国は我々が目指す民主的発展のモデルだ」と話した。

 一方、フン・セン政権が緊密な関係を築く中国については「カンボジアを植民地化し、他国を攻撃する基地にしようとしている」とし、「人権や環境問題を尊重せず、不公平な中国の手法を、フン・セン氏は模倣している」と批判した。

 帰国の実現については、現政権が各国や航空会社への入国阻止などの要請を取り下げるよう、圧力をかける必要があるとした。野党支持者の逮捕が相次ぐカンボジアの人々に「民主的で公正なカンボジアの実現のため、希望を持ち続けよう」と語りかけた。(クアラルンプール=鈴木暁子、野上英文