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 東日本大震災で被災した東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機が、再稼働への最終段階を迎えている。原子力規制委員会は年内にも、安全対策が新規制基準を満たすとの判断を示す可能性がある。だが、周辺で暮らす人たちを対象にした避難計画には実効性に疑問や不安の声が絶えない。

審査会合は6年弱、176回に

 「私はいま審査書の案を読んでいる。そういう段階にはなっている」

 規制委の更田豊志委員長は6日にあった記者会見で、女川2号機の審査状況をこう説明した。審査対象の原発が新規制基準を満たすと認める審査書案は、電力会社とのやりとりを経て規制委の事務方が作成し、最後に規制委トップが目を通して固まるとされる。更田氏は「終盤にあると考えていただいていい」と述べた。

 東北電は2013年、女川2号機の再稼働に向け、安全対策の強化などを求めた新規制基準への審査を申請。規制委の審議はほぼ終わり、年内にも「基準に適合」と認める審査書案をとりまとめる可能性がある。東北電は安全対策工事を20年度中に完了させ、その後の再稼働をめざす。

 女川2号機に対する審査会合は6年弱に及び、全国の原発で最多の176回にのぼる。要因の一つが、震災の揺れや津波を受けた施設の審査だ。

 震度6弱に見舞われた2号機の原子炉建屋では1千カ所以上のひび割れが見つかった。規制委によると、地震への強度を巡る議論に約2年半を費やした。規制委の担当者は「震災で建屋が影響を受けた原発の審査実績がなく、慎重になった」と説明。震災を受けて厳格化された基準地震動の設定にも時間を要した。

 女川原発は震災で高さ約13メートルの津波に襲われた。周辺は約1メートル地盤沈下し、敷地は13・8メートルの高さとなったが、かろうじて津波をかぶらなかった。だが、5回線あった外部電源のうち4回線が停止。非常用ディーゼル発電機8台のうち2台は、取水路から浸入した海水の影響で使えなくなった。東北電は今後の津波を24・4メートルと想定し、29メートルの防潮堤を建設しているが、地盤改良の方針を巡っても規制委と議論が続いた。

 東北電の原田宏哉社長は「被災プラントだったことで特有の検討課題があり、追加の評価や調査に時間を要した」と説明する。

避難計画、実効性に課題も

 女川原発での事故を想定し、原…

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