天皇陛下乗る「お召し列車」 そのとき新幹線運転席は…

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佐藤英彬
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お召し列車運行に携わった、運転士の渡辺邦彦さん(左)と車掌の酒見弘光さん=2019年8月13日午後、JR東京駅のホーム、福留庸友撮影

 天皇陛下が地方を訪問するときに乗る臨時専用列車の乗務員はどんな人なのだろう。天皇、皇后両陛下は22~23日、伊勢神宮三重県伊勢市)に参拝するが、近年は新幹線を使った移動も多い。両陛下が即位後初めて地方を訪れた6月の愛知県訪問。そのとき、東海道新幹線の運転室では――。

 6月1日午前。

 東京駅東海道新幹線ホームでは、両陛下が大島理森衆院議長らの見送りを受けて、列車に乗り込んだ。

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新幹線で東京駅から愛知県へ出発する天皇、皇后両陛下=2019年6月1日午前9時50分、JR東京駅、代表撮影

 先頭車の運転室。JR東海東京第一運輸所の運転士、渡辺邦彦さん(35)は、運転士になりたてのころ、師匠役の先輩運転士から言われたことを思い出していた。

 「かっこ良いことは絶対にするな。こつこつ泥臭くやっていくことが、無事故で安全にお客様を運ぶための大事な一歩だ」。基本動作を怠らず、落ち着いて、手を抜かない。一呼吸置いて、列車のスピードを制御する「マスコン」のハンドルを動かした。

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お召し列車を運転した運転士の渡辺邦彦さん

 東海道新幹線に乗務する運転士と車掌はJR東海に約1700人いる。その中で、「お召し列車」と呼ばれる専用列車の乗務員に選ばれるのは一握りだ。

 「お召し列車に乗ってみない…

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