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 定年までがんばるか、別の道に挑むか――。カイシャ勤めが終盤に差し掛かると、そんな迷いも生じます。「自分のスキル」が外で通用するのかも気がかりです。ヒントをもらえないか、外資系製薬会社を50代で早期退職し、新潟県魚沼市の農村に移住した元部長に会ってきました。

 9月中旬、新潟県魚沼市北部にある福山新田地区を訪れた。標高350~400メートルの山あいに広がる棚田では、コシヒカリが秋の日差しを浴び、まもなく始まる収穫のときを待っていた。

 福山新田は魚沼市の中心部から車で約40分。約300年前、現在の新潟県長岡市と福島県会津若松市を結ぶ街道沿いにあって開拓された地だといわれる。いまは、住民約130人の半数以上を65歳以上が占める、いわゆる「限界集落」だ。

 西村暁良(あきら)さん(53)は2017年4月、総務省の事業「地域おこし協力隊」の隊員として、首都圏から単身ここへ移り住んだ。任期は3年間。農薬を使わない稲作に取り組み、今秋が3度目の収穫になった。

 岐阜県出身。製薬業界で2度の転職を経て、協力隊に転じる直前の17年3月末まで、外資系製薬会社のヤンセンファーマで働いていた。部長職として東京都内のオフィスに通勤し、臨床開発のチームを率いた。抜歯後に使われる鎮痛剤「トラムセット」の国内承認(2011年)などに携わった実績がある。

 記者(46)が、西村さんと会うのは2回目だ。前回は昨年11月に訪れ、どうして大手企業幹部の地位に見切りをつけて移住を決めたのかを聞き、記事にした。

 その時、西村さんは「協力隊は…

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