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 7世紀の飛鳥時代に描かれ、東アジア仏教美術の最高峰の一つとされる奈良・法隆寺の金堂壁画を焼損前に撮影した写真のガラス原板(乾板、国重要文化財)が7日から、奈良市の奈良国立博物館で公開される。戦前に撮影された原板は、焼損前の姿を詳細に知る唯一無二の記録とされる。観音菩薩(ぼさつ)の細い髪の毛や厳しい表情をした僧侶の口元など細部まで余すところなく記録され、単眼鏡やルーペでじっくり見たくなる。この冬、約1300年前の飛鳥時代の絵師の技術の粋を、じっくりご覧になってはいかがでしょう。

 金堂壁画は、堂内の大小12の壁に釈迦如来(しゃかにょらい)や薬師如来、観音菩薩などの仏教絵画が極彩色で描かれ、作者は不明だが、インドのアジャンター石窟や中国の敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)の壁画などと並ぶ世界的な傑作とされる。1949(昭和24)年1月、金堂の解体修理中に出火し、全面が焼け焦げてほとんどの色が失われた。焼損した壁画は金堂内から取り外され、現在まで境内の収蔵庫の中に保管されてきた。

 原板は1935(昭和10)年、文部省(当時)の国宝保存事業の一環で、京都の老舗美術工房「便利堂」が撮影した。計12面の壁画を部分ごとに原寸大でモノクロ撮影したほか、カラー印刷向けに各壁の全図4色分解撮影も行われ、この4色分解撮影が焼損前の色彩を知る上で重要な資料となった。

 第6号壁の阿弥陀(あみだ)浄…

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