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 パパン、パン、パンと張り扇を打ちながら、北海道の歴史やゆかりの人物伝を緩急自在に語る。教師を早期退職して講談師になった函館市の荒到夢形(こうとうむけい)(本名・荒井到(いたる))さん(59)。高座にかけるのは、古典はもとより、道内のエピソードを物語仕立てにした自作の作品も多い。地域密着の口演が人気を博している。

 自宅の一室に、独特の抑揚で言葉をたたみかける夢形さんの声が響いた。張り扇と扇子で釈台(机)をたたき、リズムを刻む。稽古はたいてい自宅だが、カラオケ店にこもって大声を張り上げることもある。

 講談のとりこになったのは小学4年の時。テレビで見た「赤穂義士伝」。その歯切れの良さ、小気味よさに「こういう表現があるんだ」と驚き、話芸の妙味に引き込まれた。早速クラスの学芸会で披露したら、大失敗。「あの時のリベンジで今続けているようなものです」と笑う。

 大学卒業後は公立高校の国語教…

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