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 貧困層に無担保で小口の融資をするバングラデシュの「グラミン銀行」の創設者で、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が来日し、上智大学(東京都千代田区)で講演した。学生や市民ら300人超を前に、銀行創設の経緯や、融資のあり方などについて語った。

 ユヌス氏は講演で、自らの出発点が「金もうけに貪欲(どんよく)な高利貸によって、貧しい人たちが犠牲になることに心が痛んだ」ことだったと説明。学生に対しては、「世界の半分以上の富を24人が持っている。これは危険だ。若い世代はパワフルで、願った社会をつくることができる。新しい道をつくってほしい」などと呼びかけた。

 ユヌス氏は、バングラデシュで1983年に設立したグラミン銀が、いまでは世界で900万人以上に対して融資するまでに成長したこと、借り手の97%が女性であることなどを紹介。「既存の銀行は、貧しい人とお金のない人にお金を貸さない。それは、まったく理解できない。我々は逆張りをしたが、(借り手は)99%の確率で返してくれる」と述べた。

 グラミン銀行の融資は無担保だが、きちんと返済してもらえるように、お金の借り手を数人ずつの班に分けて連帯責任を負わせるなどの独自の仕組みを採り入れている。(笠井哲也)