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 17日午前9時にスタートした神戸マラソン。宮城県気仙沼市から参加した小野寺由美子さん(54)は、「KESENNUMA with KOBE」の文字を背中にあしらったTシャツを着て、初めてのフルマラソンに挑んだ。

 小野寺さんと一緒に走るのは、神戸の西隣にある兵庫県明石市職員の福石健一さん(50)。2011年の東日本大震災がなければ、2人が出会うことはなかっただろう。

 小野寺さんは、気仙沼で家族と水産加工物などを扱う「山長 小野寺商店」を営んでいた。津波で店を流され、自宅も全壊した。震災から約1カ月後、生きて行くため、商売を路上で再開した。

 「自分が動くしかない」。覚悟を決めた。全国の物産展などに出向き、がむしゃらに働いた。そんな中、復興支援のため気仙沼に何度も足を運んでくれた神戸の商店主らと交流が生まれた。

 震災後落ち込むことが多かった小野寺さん。よく笑う神戸の人たちを見た。「時間がたてば傷って癒えるものなんだ」。そんな言葉がふと口をついた。「傷は癒えないよ」。真剣な顔でそう返された。明るく見えても、癒えない傷を抱えているんだ。この人たちなら自分の気持ちを分かってくれる――。さらに仲は深まった。

 様々なイベントで神戸との交流…

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