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経済インサイド

 大都市はもちろん、地方でもある程度の規模の街の目抜き通りには店を構え、にぎわいの中心となってきた百貨店。しかし、郊外のショッピングセンター(SC)やネット通販の攻勢にさらされ、人口減や高齢化で顧客基盤が揺らいでいます。大手百貨店は地方・郊外店の閉鎖も相次いで打ち出しました。「よそ行きの買い物」をする場として親しまれた百貨店は、徐々に消えてしまうのでしょうか。

都心の店に客奪われ

 「百貨店が複合型ショッピングセンターに生まれ変わります!」。東京のベッドタウンの埼玉県所沢市にある西武所沢店は14日、SC化してグランドオープンした。従来の百貨店は、個々のテナントの運営に百貨店の販売員が深くかかわり、包装紙も百貨店のものを使って店の統一感が高い。SCになると、個々のテナントから賃料をとって運営し、テナントごとの独自色が強くなる。

 西武所沢店は西武池袋本店(東京都豊島区)から電車で30分ほど。品ぞろえが豊富な都心で買い物をする客が多く、「重複が悩みの種だった。所沢店が百貨店である存在意義は薄れていた」(そごう・西武の山田正樹執行役員)。

 地元では西武所沢駅の駅ビルの存在感も増しており、そごう・西武は「何もしなければ下降曲線をたどるのが目に見えていた」(山田氏)とSC化に踏み切った。婦人服は高級ブランドを中心に一部残し、食品や化粧品は、百貨店らしい品ぞろえを維持する。それでも売り場全体の雰囲気は大きく変わる。

 新たに入るテナントは、ビックカメラ、低価格衣料ブランドのジーユーや、手芸のユザワヤなど。専門店が売り場の75%を占める。SC化後の所沢店全体の売り上げは、以前の1割増を見込む。

 そごう・西武は10月中旬、全国15店のうち、そごう川口店(埼玉県)や西武大津店(滋賀県)など5店を閉鎖するなどの大規模なリストラ策を発表。所沢店のSC化は、残される地方・郊外店のてこ入れ策の一つで、他の大都市周辺の店にもその手法を広げていく。

ベッドタウンの悩み

 地方にある百貨店の店舗の苦境…

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