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 初めて生で見るその加速には驚かされた。

 2020年東京パラリンピックの代表選考を兼ねたパラ陸上の世界選手権(ドバイ)。10日に予選が行われた男子100メートルでのことだった。下肢機能障害(T44)、ひざ下の片足義足(T64)と両足義足(T62)の選手が出場するレースで、私は日本の井谷俊介(T64、SMBC日興証券)を撮ろうとフィニッシュライン近くでカメラを構えていた。

 ところが、隣のレーンで中盤から急加速した両足義足のヨハネス・フロアーズ(ドイツ)に目を奪われ、思わずシャッターを切った。記録は自身の世界記録を0秒12更新する10秒54。ちなみに片足義足の世界記録は10秒61だ。

 加速の秘密はいったい――。会場を訪れていたスポーツ用品メーカー・ミズノ(大阪市)の宮田美文(よしふみ)さん(57)に尋ねた。義足開発に携わる専門家は、二つの要因を挙げて説明してくれた。

 一つは、義足が生み出す加速の…

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