釜石のスタジアムに再び歓声 ラグビー・地元チーム初戦

本田雅和
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 ラグビー・ワールドカップ(W杯)で盛り上がった岩手県釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで16日、「トップチャレンジリーグ」の初戦があった。地元の釜石シーウェイブス(SW)が、コカ・コーラを相手に24対24で引き分けた。W杯に向けて全国で唯一新設されたスタジアムに熱狂が戻った。前日はSWの選手全員で市の津波伝承館を訪れ、震災の教訓や不屈の精神を学び直していたという。同点トライを決めた中野裕太主将は「立ち上がる市民の姿が追い風になった」と語った。

 スタジアムではW杯で1試合が行われ、予定されていたもう1試合は台風の影響で中止となった。この日は、W杯でも日本代表として活躍したウィリアム・トゥポウ選手を擁するコカ・コーラが逃げ切るかに見えた展開だったが、終了間際にSWがゴール前のモールから押し込み、同点トライを決めた。ヘッドコーチのスコット・ピアース氏は「これこそ最後まであきらめない釜石スピリット」と称賛した。

 W杯仕様の1万6千席から本来の常設6千席に戻ったスタジアム。気温11度、時折4メートルの寒風が吹く中、2028人のファンがつめかけ、声援を送った。居酒屋経営の小笠原裕美さん(61)は「W杯を見慣れたから観客が少ないと思ったけど、人口3万余りの田舎町で寒い中、これだけの人が集まった。こういう試合をしていたら、次はもっと増えるし、1部リーグ昇格も夢ではない」と話した。(本田雅和)

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