拡大する写真・図版 体長28メートル、高さ10メートルの巨大恐竜「ディプロドクス」は尻尾が滑り台になっていて大人気=2019年11月16日午後2時44分、水戸市木葉下町、佐々木凌撮影

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 「茨城のジュラシックパーク」と呼ばれる場所が水戸にあるという。恐竜のみならず怪獣までいるらしい。

 市中心部から車で20分ほどの場所にある水戸市森林公園。「恐竜広場」に足を踏み入れると、カラフルな背板を持つ「ディメトロドン」(体長8メートル)が現れた。古生代のエリアで計3体が並ぶ。模型は実物大。森の中にあり、妙な臨場感がある。

 木々の隙間から緑と黄色の長い首が見えてきた。最大級の草食恐竜「ディプロドクス」だ。体長28メートル、体高は10メートルある。側面に回ると、恐竜の体の中から子どもが飛び出してきた。首の下から体内に入れ、尻尾が滑り台になっている。「恐竜のうんこになった」と笑いながら、次々と滑り降りていた。

 栃木県さくら市から訪れた堀琥太郎くん(4)は大の恐竜ファン。「大きかった。中に入れて楽しかった」と興奮気味だ。父の健二さん(50)は「博物館では骨しかないし触れないけれど、ここでは遊べる。子どもたちを楽しませようという気持ちが伝わってきていいですね」

 3本の角が特徴の「トリケラトプス」(同6メートル)など、子どもの頃に図鑑で見たおなじみの恐竜たちが並ぶ。「地上最強の恐竜」と紹介されている「ティラノサウルス」(同12メートル)の隣には、なぜかマンモス(同5メートル)。牙に登って遊んだり、写真を撮ったりする子どもも多いが、その優しい目は「俺は恐竜じゃないのに……」と訴えかけているように見えた。

 広場に並ぶ恐竜12体、とマンモス。ラスト14体目は、黄色い体に黒いイボがある体長約2メートルの「怪獣」だ。案内板には「創作怪獣 イボゴン」とある。

 1983年、水戸市が募集した「夏休み創作怪獣」で市内の小学2年生が考えたもので、敵が現れるとイボから毒ガスを出して身を守る、のだとか。意外と人気で、よじ登ったり、握手したりする子もいた。

 水戸市森林公園は68年に整備が始まり、82年に恐竜広場が完成した。公園を管理する市職員によると、当時の水戸市長のアイデアで「子どもたちが楽しめ、冒険心を養える場所に」と、長野県にある公園を参考にして造ったという。

 80年に映画「ドラえもん のび太の恐竜」が公開されるなど、当時の恐竜ブームも背景にあったという。イボゴンについては「子どもの意外な発想を生かし、子どもたちも参加して公園を造っていこうということだったのではないか」と話す。

 水戸市職員として公園や恐竜広場整備に携わった宮嶋敬夫さん(91)に話を聞けた。「いつの時代も子どもたちが恐竜好きなのは、現在はいない恐竜の姿をみて、太古の昔に思いをはせるからでしょう。今も遊んでくれて、夢が実現したという思いです」(佐々木凌)

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 水戸市森林公園 水戸市木葉下町588の1。常磐道水戸ICから車で約10分。公共交通機関では、JR常磐線赤塚駅からバス乗車。「森林公園西口バス停」(所要約30分)で下車後、徒歩1キロ(約20分)。開園時間は、4~9月は午前6時~午後7時。10~3月は午前8時半~午後5時15分。問い合わせは公園事務所(029・252・7500)へ。