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 世界的建築家の安藤忠雄氏(78)が、東日本大震災の被災地支援として、岩手県遠野市に子どものための読書施設をつくることになった。古民家を改築し、設計や工事にかかる費用は安藤氏側が負担する。

 19日の市議会全員協議会で説明された。2020年8月の着工予定で、震災10年となる21年3月までに完成の見込み。安藤氏の事務所が費用を負担して建てる子ども向け読書施設は東北では初めて。

 1900年ごろに建てられた市中心部の町屋「旧三田(さんた)屋」を、使われている資材を活用して建て替える。本に囲まれた環境で、自由に読書できるような空間にする方針で、今後詳細を詰めていく。市有地のため土地と建物をいったん安藤氏側に貸し出し、施設は完成後に市へ寄贈される。

 市によると、安藤氏は以前から被災3県に読書施設をつくることを構想。遠野を選んだ理由として、沿岸部との交流が深く過去の津波でも復興支援を行ってきたことや、民俗学者・柳田国男の「遠野物語」が生まれた場所であることなどを挙げているという。

 今年8月に旧三田屋を視察した安藤氏はその日の講演で「『遠野物語』は日本人の心の古里。古民家の外観を残しながら図書館に活用してみるのも一つの手だ」と意欲を示していた。(御船紗子)