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 インターネット検索などのポータルサイト「ヤフー」を展開するZ(ゼット)ホールディングス(HD)とメッセージアプリのLINE(ライン)は18日、経営統合することで基本合意した。利用者数はLINEが約8千万人、ZHDのサービスは約5千万人で、合わせて1億人規模の国内トップのIT企業が誕生する。

 両社の売上高の合計は約1・2兆円で、1・1兆円の楽天を抜き、国内IT大手でトップとなる。12月に統合の正式契約を結び、公正取引委員会の審査などを経たうえで来年10月をめどに統合を完了する予定だ。

 ZHDの親会社は携帯電話大手のソフトバンク(SB)で、SBの親会社は孫正義会長兼社長が率いるソフトバンクグループ(SBG)。LINEは韓国のIT大手ネイバーが親会社だ。統合は日韓のIT大手の連携という側面も持つ。

 発表された統合計画案によると、ZHDの親会社のSBがネイバーと共に折半出資する会社を置き、同社がSBに代わりZHDの筆頭株主となる。折半出資だが、経営の主導権はSB側が握る。

 ZHDの下に完全子会社として事業会社ヤフーとLINEがぶら下がる。ZHDは現在東証1部上場で、一連の統合後も上場を維持する。LINEは上場を廃止する予定。存続会社のZHDの共同CEO(最高経営責任者)にはZHD現社長の川辺健太郎氏とLINE現社長の出沢剛氏が就く。2人はともに代表権を持ち、川辺氏はZHD社長も続ける。

 統合は対等の形で行うが、ZHDはSBの連結対象となり、LINEがSBGのグループに入る色彩が濃い。

 SBGは携帯電話事業を基盤に、利用が拡大するスマートフォンでのサービスを強化している。通信アプリで国内では圧倒的な利用者数を持つLINEと連携し、あらゆるサービスをスマホ上で提供する「スーパーアプリ」の実現を目指す。

 18日夕方に都内で記者会見したLINEの出沢社長は米国の「GAFA(ガーファ)」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)や中国の「BAT」(バイドゥ、アリババ、テンセント)と呼ばれる巨大IT企業の台頭で「優秀な人材、データが強いところに集約してしまう。(LINE、ヤフーの)2社が一緒になっても(GAFAなどとは)桁違いの差がついている」と述べ、「強い危機感があった。今が手を打つタイミングだった」と統合の背景を説明。ZHDの川辺社長は「(LINEとの)志は一つ。(GAFA、BATに次ぐ)世界の第三極になることで一致している」と語った。(栗林史子)