正恩氏、金剛山施設の撤去命令 嫌気さし「自力更生」へ

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鈴木拓也
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 北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が10月下旬に北朝鮮の景勝地金剛山観光地区を視察し、韓国側が建設したホテルや食堂を撤去するよう指示しました。金剛山は南北経済協力事業の象徴的存在で、韓国側にはショックが広がっています。正恩氏の意図について、北朝鮮を専門とする慶応大准教授の礒崎敦仁さんに聞きました。

 ――北朝鮮の金剛山とは、どのような場所ですか。

 朝鮮半島東海岸の中部にある標高1638メートルの朝鮮民族が誇る名勝で、朝鮮半島六大名山の一つです。日本語でいう「花より団子」にあたる「金剛山も食後の景色」とのことわざがあるくらい、朝鮮半島の人々に親しまれてきた山です。

 南北分断により、韓国人には行きたくても行けない観光地の一つでした。1998年に韓国で金大中政権が発足して南北の和解が進み、同年に金正日(キムジョンイル)総書記(当時)は韓国の財閥・現代グループに観光開発の許可を与えました。韓国人がツアー観光で訪れるようになり、宿泊施設なども整備されました。観光で一般市民の訪問が続くことは、戦争を防ぐ安全装置にもなり得ます。観光は草の根の安全保障という側面もあるんですね。

 ――しかし、現在は中断されています。

 2008年に韓国人女性が自由行動をして北朝鮮軍兵士に射殺される事件が起き、韓国企業による観光開発も、韓国からの観光ツアーも中断されました。それまでの約10年間に金剛山を訪れた韓国人は190万人を数えます。北朝鮮にとっては大きな外貨収入源になりました。

 ――核・ミサイル開発を進めてきた北朝鮮は18年に入って対話局面に転じ、金剛山観光の再開にも前向きだったのではないでしょうか。

 その通りです。18年9月に…

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