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 名古屋市で22、23日に開かれる主要20カ国・地域(G20)外相会合を前に、JR東海は警備強化のため、19日からJR名古屋駅構内にある約1400個すべてのコインロッカーへの預け入れを停止した。23日まで預け入れできない。事前に貼り紙や同社ホームページ(HP)で案内されていたものの、事情を知らない人たちがロッカー前で途方に暮れていた。

 「うそやろー、聞いてないねんけど。ホテルのチェックインまでどうしよう……」。出張で大阪府から来た男性会社員(32)はスーツケースを抱え、ロッカー前で困り果てていた。大阪府から友人と観光に来た女性(21)は「貼り紙が小さすぎて、駅構内を歩いている途中ではわからんかった。別のロッカーを探します」と落ち込んでいた。

 JR東海は、今月12日から駅構内にコインロッカーの預け入れ停止を知らせる日本語と英語の貼り紙の掲示を始めた。同社HPにも案内文を載せた。

 ただ、HPの案内文は日本語のものだけ。中国から観光に来た男性(40)は「ネットで見た案内文は日本語だったのでわからなかった」。オーストラリアから出張で来た男性(55)は「ここに来て初めて知った。案内文はもっと見えやすいところに掲示してほしかった」と話した。

 JR東海によると、19日以前に預けられた荷物は21日午後3時以降、係員によって順次取り出される。荷物の問い合わせは、東海キヨスク(052・562・6171)へ。受け付けは午前8時~午後10時半。近鉄、名鉄、市営地下鉄でも名古屋駅などで19~23日、コインロッカーの使用を停止するという。(竹井周平)

21~24日に大規模な交通規制

 名古屋市中区で22、23日、主要20カ国・地域(G20)外相会合が開かれる。21~24日の4日間、会場周辺では大規模な交通規制が行われるが、G20開催の認知度は4割程度。規制の時間も読めず、商業活動への影響を懸念する声もあがっている。

 「車で出掛けたいんだけど……」というナレーションに、愛知県出身のお笑いコンビ「スピードワゴン」の井戸田潤さん(46)が「あま~い」と叫ぶ。

 今月始まったテレビCMの一場面。外相会合開催で交通規制がかかる期間中、混雑が予想されるエリアへのマイカーの乗り入れ自粛を求める内容だ。

 外相会合には各国の要人や海外メディアなど1千人超が来日する。県警はテロや大事件を警戒。メイン会場となる名古屋観光ホテル周辺や、一般道と高速道路の一部で交通規制を行い、要人の車が通過する前後は通行止めにする。

 一般道の対象は、広小路通(納屋橋東―広小路伏見の両交差点間)、錦通(西柳町―錦通伏見の両交差点間)。いずれも市中心部を走る幹線道路で、1日の交通量も多い。

 県警の目標は平時の交通量の45%削減だ。「(外相会合開催の認知度が)8割以上いけば規制はうまくいく」と県警幹部。ところが、10月に約2100人を対象にアンケートしたら、開催を「知っている」と答えた人は約4割だった。

 さらに悩ましいのは、交通規制の時間が明らかにされないことだ。要人の動きに合わせるためで、県警G20サミット対策課の担当者でさえ、「詳細な時間は読めない」。規制は予告なしで始まる。沿道の企業や店舗の関係者らは規制中も警察官の許可を得て出入りできるが、車や歩行者、自転車に乗った人には検問があり、混雑する可能性がある。県警は「交通量を減らすため、マイカー使用の自粛と業務用車両の調整をお願いしたい」と呼びかけている。(比留間陽介)

ホテルや飲食店、対応やきもき

 名古屋市中心部では事業者が対応を進めているが、不安や戸惑いの声もある。

 メイン会場近くのビジネスホテル「チヨダホテルナゴヤ」では、ロビーなどに交通規制のチラシを掲示し、宿泊者に周知する。従業員の男性(50)は、これまでも要人の滞在などで交通規制の経験はあるが4日間に及ぶのは初めてといい、「宿泊客に大きな影響はないと思うが、トラブルが起きないか心配です」。

 日本料理店の男性支配人(48)は「通行止めの時間がわからず、お客様に案内しづらい」と頭を抱える。予約を受け付ける際に交通規制のことを伝えているが、来店を取りやめる客も出ているという。広小路通で飲食店を営む男性店主(50)は、21日がフランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」の解禁日で、客足の伸びを期待していた。だが先月、仕入れ先である名古屋観光ホテルのパン屋から規制期間中、営業をやめると連絡があった。今月11日には、自分の店に検問で提示する車両識別証などが届いた。「お客さんも仕入れ先も行き来しにくくなるのなら」と、臨時休業も検討している。

 広小路伏見交差点に店を構えるピザ店「PIZZA SALVATORE CUOMO伏見」は、仕入れ先からの納品が遅れることを想定して通常の約1・5倍の在庫を確保。宅配サービスでは注文客に遅配の可能性があることを伝える。従業員の男性(31)は「規制が行われる時間に注文が重なると混乱するかも」と、想定外の事態に気をもんでいる。

 期間中の交通規制に関する問い合わせは、愛知県警本部(052・951・1611)。当日の交通規制の情報は、県警G20サミット対策課のツイッター(https://mobile.twitter.com/AP_G20別ウインドウで開きます)で確認できる。(藤田大道、江向彩也夏)

交通規制がかかる高速道路

①名古屋高速

【21~24日】都心環状線▽楠線・東片端ジャンクション(JCT)―黒川▽東山線・新洲崎JCT―吹上西▽大高線・鶴舞南JCT―高辻▽東海線・山王JCT―尾頭橋▽万場線・新洲崎JCT―烏森▽清須線・明道町JCT―鳥見町

②名古屋高速大高線高辻以南と知多半島道路・大高料金所―半田中央JCT、セントレアライン

【21、22日】中部空港→名古屋市内の上り線

【23、24日】名古屋市内→中部空港の下り線

※いずれも規制の時間帯は決まっていない。

     ◇

 〈G20外相会合〉 2008年の金融危機を契機に、G20財務大臣・中央銀行総裁会議を格上げして主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が発足。今年は日本が初めて議長国を務め、6月に大阪市でG20大阪サミットを開いた。名古屋の外相会合は、関連してある関係閣僚会合の締めくくりで、米国や中国などのG20メンバーに、タイやベトナムなど9カ国の招待国を加えた計29カ国・地域の外相が集う。