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(19日、明治神宮野球大会大学の部 関大8―7東海大)

 関大は、タイブレークにもつれた試合で、8番打者の坂之下晴人(2年、大阪桐蔭)が期待に応えた。高校3年春の選抜大会優勝時の主力選手ながら、大学では木製バットへの対応に苦しんだ。試行錯誤を経て、再びチームを引っ張る存在に成長した。

 タイブレークとなった延長十回、1死一、二塁で打順が回った。追い込まれてからの5球目。指6本分短く持ったバットをコンパクトに振った。打球は左翼手の頭を越す適時二塁打に。その後の押し出し死球での得点へ、流れを呼んだ。

 「打てる気配がした」と坂之下は振り返る。内角を攻められて打球を詰まらせた1打席目を踏まえ、「また来るかも」と予感した場所へ投じられた変化球に、しっかり対応した。

 高校時代の経験もあり、「神宮だからといって緊張はない」と、気持ちに余裕を持って全国の舞台に立てている坂之下。だが、高校時代の経験以上に、大学での苦しみが、さらに自身を成長させた。

 入学当初、木製バットへの対応に苦労した。1年時からベンチ入りするも、出場は代打や守備固めが主だった。47年前の神宮優勝メンバーで、その後プロ野球阪急(現オリックス)でも活躍したOBの山口高志アドバイザリースタッフの助言で、この春からバットを短く持つようになると、少しずつ感覚をつかんでいった。

 今春のリーグ戦では出場機会が増えたものの、打撃はいまいちのまま。そこで、比較的簡単な引っ張った打球は一本も打たない意識で、来る日も来る日も逆方向に打つ練習を続けると、やっと試合で結果が出るようになった。守備力を高く評価する早瀬万豊監督も、「たまに勝負強さを見せてくれるようになった」と目を細める。

 打撃で貢献できなかった時期も、「守備と声で貢献しよう」と常に前を向いてきた坂之下。「次も自分のできることをやって、日本一になりたい」と、決勝を見据えた。

 関大は20日午後1時から、慶大との決勝に臨む。(高岡佐也子