[PR]

 長崎県の諫早消防署は20日、火災に見舞われた建物から逃げ遅れた20代の女性を救出した運送会社員、深見隼人(はやと)さん(29)=長崎県諫早市森山町下井牟田=を表彰した。深見さんは「いいことをした。人助けはいいよと子どもたちに教えていきたい」と話した。

 火災は10日夜、諫早市宗方町で発生。木造2階建て住宅約175平方メートルが全焼するなどした。深見さんは買い物へ行くため自家用車を運転中、煙が上がっているのを目撃。消防や警察がまだ来ていないと悟るや、車を止め、200メートル以上走って現場へ。到着すると、家主の80代女性が1階の窓から逃げたところだった。「孫娘が中にいる」

 炎が上がり、瓦が落ちる家の周りを「娘さーん」と大声で叫びながら探すと、2階と1階の間にあるひさしの上で、スマートフォンを手で振っている女性を発見。塀によじ登り、そこにあった置物と塀の上に両足を置いて踏ん張り、自分の両肩を踏み台代わりにして女性を降ろした。3分ほどの出来事だった。消防が到着したのはその後。消防によると、到着時点では建物の中に入れないほど火の手が回っていたという。

 「助けんば、と猛ダッシュした」と深見さん。小学3年生から保育園児まで3人の子どもがおり、会社では自動車整備を担当しているという。

 「一連の行動力、勇気ある救助活動に敬意を表します」と城下和美署長。消防署によると2015年1月以来、諫早市内で建物火災による死者は出ていないという。(中川壮)