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 新潟県の佐渡島沖で2日朝に遊漁船が沈没する事故があり、駆けつけた漁師3人が海に投げ出された船長と乗客計11人を間一髪で救助した。佐渡海上保安署は21日、この3人に人命救助の感謝状を贈った。

 3人は、本田裕敏さん(66)、森川武さん(80)、森川さんの長男敏幸さん(56)=いずれも佐渡市鷲崎=。本田さんは地元の内海府漁協の組合長を務めている。

 佐渡海保によると、事故は2日午前6時40分ごろ、佐渡市弾埼沖約1キロで起きた。新潟港から出港した遊漁船「善宝龍神丸」(8・5トン)が岩礁に乗り上げて浸水。船長(62)と釣り客10人(48~21歳、全員男性)は救命胴衣をつけて海上に脱出し、船はまもなく沈んだ。

 佐渡海保や本田組合長らによると、釣り客の118番通報で事故を知った海保が巡視艇とヘリコプターを派遣したが、現場到着まで時間がかかるため、地元の水難救済会に救助を要請。連絡を受けた本田組合長が鷲崎漁港にいた敏幸さんとともに敏幸さんの漁船「第一あさひ丸」(7・3トン)で現場に急行し、武さんも別の漁船で追いかけた。

 約12分後に現場に着くと、遊漁船は転覆し、釣り客らはうねる海面でクーラーボックスや浮輪につかまっていた。3人は漁船に11人全員を助け上げた。このうち3人が骨折などのけがを負った。

 本田組合長は「2メートルほどの波があり何人かは潮に流されかけていたので急いで救いました」と振り返る。敏幸さんは「人命救助の経験は初めてでしたが、全員が助かってよかったです」と語る。

 感謝状を渡した永田成功署長は「海にいた時間は30分ほどだが、危険な状況だった。現場の海域は浅瀬や岩礁が多く、事情を知る方々だから迅速に救助できた」と話している。(古西洋)