天皇陛下の即位に伴う皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」の祭場となった大嘗宮(だいじょうきゅう)の一般公開が21日、皇居・東御苑で始まり、入場口の坂下門が開く際には約1400人が列をなしていた。12月8日までの午前9時~午後4時、毎日公開する。

 大嘗宮は、大嘗祭の中核行事「大嘗宮の儀」の祭場で、約90メートル四方の区画に建つ大小30余りの建物からなる。東の神殿「悠紀殿(ゆきでん)」と西の神殿「主基殿(すきでん)」は、天皇陛下が神々に供え物をし、国家安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を祈った建物。北側の廻立殿(かいりゅうでん)は天皇陛下が神事の前に身を清めた建物だ。見学者は、大嘗宮の南側から西の主基殿側に回るルートで歩き、スマートフォンなどで撮影しながら建物を眺めた。研究のための休暇を利用して訪れた都内の社会科教諭、宇佐美繁夫さん(47)は「以前から大嘗祭や新嘗祭(にいなめさい)などに関心があったが、実際に大嘗宮を見たことでより理解が深まった。一般国民がこうして見学できるのは良いこと」と話した。

 ただ、宮内庁は、儀式そのものが「秘事に当たるため、内容が推測されるような中の様子を公開することは控えたい」として、建物の内部は公開しなかった。

 大嘗宮の設営は入札の結果、9億5700万円で清水建設が受注した。政府は、大嘗祭は宗教色が強いため国の行事にしない一方、「重要な伝統的皇位継承儀式」として公費を充てた。宮内庁は大嘗祭についての国民の理解を深めるため、今回初めて建設現場も公開した。一般見学終了後は解体されるが、資材についても可能な限り再利用する方針だ。(中田絢子