拡大する写真・図版 イマニュエル・ウォーラーステイン

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 世界システム論と呼ばれる巨視的理論を唱えた米国の大家が世を去った。その理論は、地球規模での相互の関連から歴史をみる「グローバルヒストリー」などへとつながっていった。高校教科書でも取り上げられる、新たな世界史とは。

世界を覆う単一のシステム

 社会学者・歴史学者イマニュエル・ウォーラーステイン。8月に88歳で死去した。欧米中心の資本主義経済を「近代世界システム」と呼び、相互連関システムが全世界に広がる過程を、500年にわたる長期的視野で描いたことで知られる。

 この理論が注目を集めたのは1970年代から89年の冷戦終結後にかけて。資本主義から共産主義への移行をめざすマルクス主義の史的唯物論に代わって幅広く受容された。

 「現実の世界がどのように機能しているかについて、何か重要な指摘ができるのは、真に全体論的な分析によってのみ」。ウォーラーステインの主著「近代世界システムⅠ」の2011年版序文だ。邦訳を手がけた川北稔・大阪大名誉教授(79)は「資本主義経済を世界を覆う単一のシステムとみて、成立過程と衰退の可能性をつぶさに描いた。世界の歴史を一括して論じる新たな大理論だった」。

 概説するとこうだ。16世紀以…

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