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 7月に放火殺人事件の被害に遭った京都アニメーション(京都府宇治市)が、若手アニメーターを育てる「プロ養成塾」の塾生を新たに募集する。「作品づくりは人づくり」との京アニの理念のもと、事件で犠牲になった36人の遺志を継ぐ人材の育成に乗り出す。

 京アニは20日、ホームページで来年4月の入塾生の募集の告知を始めた。アニメーター科と美術・背景科で募集し、講習期間は2020年4月4日から1年間。応募資格は高校を卒業した18~25歳で入塾テストがある。塾で学んだ後に入社している社員もいる。前後期で計30万円の学費は成績優秀者として入社テストに合格すると返還される。応募は12月18日まで。

 国内のアニメ制作会社が東京に集中する中、京アニは京都に拠点を構え、演出から仕上げまでほぼ全工程を自社で完結させることで知られる。繊細で緻密(ちみつ)な作画は「京アニクオリティー」と呼ばれ、国内外で高く評価されてきた。

 7月の放火殺人事件で、36人が死亡、34人が重軽傷を負い、176人いた従業員の4割近くが死傷した。10月に会見した八田英明社長は「人材育成に近道はない。昔のように肩を寄せ合って、場所を分け合って、ともに学んでいく場をこれからも大事にしたい」と強調していた。

 養成塾は来年度で20年の節目を迎える。京アニは「ともに学びあう、成長する場として是非継続していきたい」とコメント。アニメーター科講師の北之原孝将さんも「塾の中で多くのことと出会い、考え、感受性を高めていくことで上達の機会が増える。状況に負けず、この出会いの場を続けていきます」との談話を寄せた。

 一方、京アニは20日、プロ、アマを問わず6~11月に小説作品を募集する予定だった「第11回京都アニメーション大賞」の中止も公表した。「今の運営体制では選考を継続していくことが困難」と説明している。(川村貴大)