拡大する写真・図版 節の表面を覆う茶色のカビは、粉のように舞い上がる。「マスクなしでやると、鼻の中が茶色になってしまいます」=静岡県焼津市、池永牧子撮影

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凄腕しごとにん

にんべん 製造部仕入課係長 河本博之さん(41)

 かつお節の専門店「にんべん」といえば、東京・日本橋を代表するしにせの一つだ。創業は江戸時代の元禄12(1699)年。320年もの歴史を刻んだのれんを守るため、ただひたすら、茶色い「節(ふし)」に目をこらす。

 節とは、カツオの切り身をいぶしたもので、いわゆる「削る前のかつお節」。表面にカビをつけて味をよくした「本枯(ほんかれ)節」は、全国でつくれる地域が数カ所しかない上級品だ。その中から、さらに形と味に秀でた節を見定め、にんべんの最高級品として売るものをより分ける。

江戸時代から伝承

 社内で「選別」と呼ぶこの作業ができるのは、約200人の社員のうち2人だけ。似た作業は江戸時代からあったという記録も残る。そんな重責を担って10年がたった。2年前に先輩から責任者の地位を受けつぎ、「品質の最終決定権者になった」。

 作業場は屋外だ。削り節パックなどの生産ラインがある大井川事業所(静岡県)の一角に、パイプいすを置く。そこに座り、節を1本ずつ手にとって、形をたしかめる。表面につきすぎたカビはブラシで払い落とし、小骨は金属製の刃でかき出す。

■確率1…

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