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 覚醒剤取締法違反(使用)の罪に問われた横浜市戸塚区の男性(61)に対し、横浜地裁(田村政喜裁判長)は20日、無罪判決(求刑懲役3年6カ月)を言い渡した。判決は、任意捜査にもかかわらず警察官の虚偽の説明によって男性が違法に警察署に引き留められたと認め、「任意捜査としての許容限度を逸脱し違法」と指摘。その間に行われた強制採尿の結果について証拠能力を否定した。

 男性の起訴内容は昨年8月、同市中区のコンビニエンスストアのトイレで覚醒剤を使用したというもの。

 判決によると、男性は同月、銃刀法違反容疑で神奈川県警戸塚署で任意の事情聴取を受けた際、警察官から「身元引受人が来なければ帰れない」との虚偽の説明を受けた。男性はその間に強制採尿令状を示され、尿を採取された。

 判決はこの説明について、署にとどまるよう男性を説得する手間を省こうとしたもので、その意図は署で組織的に共有されたと指摘。「身体拘束に関する法規制を軽視している。(署にとどめたことは)令状主義の精神を没却するような重大なもの」と批判した。

 横浜地検の竹内寛志次席検事は「判決内容を精査し、上級庁と協議の上、適切に対応したい」とコメントした。(山下寛久)